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溶けていた配線 - ターンシグナル・スイッチ

steering column disassemble 思うところあって、ターンシグナル・スイッチを外すことになった。ステアリングを外し、小さなボルト4本を外すせば、スイッチ自体はフリーになる。ところが、配線が突っ張ってステアリングのシャフトから引き抜く余裕がない。折角きれいにまとまってるのにちょっともったいない気もしたけど、仕方ないので配線の保護チューブを切ることに…。すると、出て来た配線のうちの1本がアウターがドロドロに溶けた状態になっていたのだ。


wire at ignition switch burnt wire 問題の配線は、イグニッション・スイッチから出ていて、ギボシで中継した後、ターンシグナル・スイッチへと繋がっていた。

turn switch ターンシグナル・スイッチの裏には、右側に2列に並んだ端子が6個あり、内側の中央の端子へと配線は繋がっていた。しかし端子は緩んでいて、配線を触っているうちにブラケットから外れてしまった。よく見ると、ブラケットには接着剤が塗られたような跡が。さらに後ろの端子と接触したのか、焦げたような跡も残っていた。

1200 diagram 果たして問題の配線は何をしているものか。元々1200スタンダードにぴったりの配線図はないことは置いといて、マニュアルに載っている他年式用の配線図でも、イグニッション・スイッチとターンシグナル・スイッチはまとめてひとつのブロックとして書いてあるため、実物とは配列が異なり、分かりづらい。しばらく悩んでみたもののギブが入って、某所に電話をかけアドバイスを求めた。すると、キーオフでレバーを倒した時に光るパーキングライトに、12Vを送っている配線だという。へぇ〜、おいらのビートルにもそんな機能がついてたのか。知らんかった…。さらに重要な点として、VW社はギボシを使った配線はしないので、問題の配線は、以前手を加えられているはず、とのことだった。

なるほど、何となく読めたぞ。以前パーキングライト用の接点に問題が出て、修理する際に配線を切ったんだな。接着剤で端子を固定して、切った配線はギボシを使って接続と。これで直ったはずだった。ところが数年後に問題再発というわけだ。このビートルを以前修理した人が見たら気を悪くするかもしれないけど、ちょっといい加減にしてもらいたいもんだ。今回のもそうだけど、テールランプの端子に至ってはセロテープで固定されてましたよね?どちらも大問題が起きる前に気が付いたから良かったものの、下手すりゃ車が燃えてるぜ。特にパーキングライトの配線は、キーオフで12Vが来ている。ということは、本人が車から離れている時に電流が流れることになる。配線がショートして火がついたとしても、最悪乗っている状態なら対処できるけど、離れていたのでは打つ手がないじゃないか。

burnt wire out 溶けた配線をパリパリ剥がしチェックしたところ、幸い他の配線までは溶かしていないようだった。配線を修復できるかしばらく考えてみたけど、そうなると僕も結局、端子を接着剤で固定し直す以外手はなく、それでは意味がない。そこでギボシ以降の配線は取っ払い、イグニッションから来ている部分にはテープで絶縁処理を施し、これまで存在自体も知らなかったパーキングライトの機能は、捨てることにした。


そう言えば、2ヶ月くらい前かな、プラスチックが燃えたような匂いがしたことがあった。以前配線を燃やした時(メーターバルブのショート)は、ものすごい量の煙が出たものの、その時は煙が出ているような様子はなく、配線による異臭ではないんじゃないかと思っていた。匂いの原因は特定できなかったものの、エアクリーナーからこぼれたオイルが燃えて妙な匂いがしたんではないか、ということにしていたのだ。でも、今から考えれば、あの匂いは、まさに配線のアウターが燃えた時の匂いだったな。

ちょっとターンシグナル・スイッチの端子を磨こうと思ってただけなので、自宅前で作業を始めてしまい、一時はどうなることかと思った。機能をひとつ失ったわけだけれど(元々機能してたかどうかも今となっては怪しいが…)、配線を一本焼いただけの段階で問題に気が付いたのは、実にラッキーでございました。

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