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タイロッドエンドの交換

最近これといって悪いところがないからWebの更新ができねぇ、とぼやいていたら、タイロッドエンドに寿命がきてしまった。たぶん罰が当たったんだ。でも正確に言うと、以前から兆候はあって、ダメになっていたのにやっと気がついたということなんだろう。足回りの問題なので、一度気がついてしまうと放っておくのは気持ちが悪い。

今のところ明らかに問題が出ているのは右のアウト側だけなので、一個だけ交換するのであれば部品代も安くて済む。だけど4カ所あるうちのひとつに問題が出たということは、他のにもガタが出るのは時間の問題か。ケチるところは気をつけないと、あとでかえって高い目に遭うので、ここは4カ所全部を交換しましょう。ついでに、作業の過程でどうせ外すことになるので、ステアリングダンパーもこの際だから交換しちゃおう。

マニュアルやネットで調べてみると、タイロッドエンドの交換は強烈に大変な作業ということでもなさそうだ。ただ、作業後はアライメントが狂うので、仮に自分で作業したとしても、結局どこかの修理工場で調整を頼まなくちゃいけなくなりそうだ。

一体どのくらいの金額が掛かるのか、前回ボールジョイントの交換をお願いしたJACK UPに問い合わせてみると、アライメント調整も込みで思っていたよりも安い金額で作業をしていただけることが分かった。今回も預かりではなく、その日のうちに作業をやってもらい、乗って帰れるというのも非常に有り難い。今回もパーツは僕がReadyBugで購入し持ち込みでの作業となる。でもどうなんだろう。パーツ代にもショップって利益あるんだよね?「持ち込みでもどっちでも構わないよ」とは言ってたけど、今後もおつきあいを続けていきたいところだから、今度きちんとお話しておこう。

前回のボールジョイント交換は見ていてビビるような作業だったけど、タイロッドエンドの交換はそこまでの派手さもなく、あれよあれよと言う間に作業は終わってしまい、中田さんはテストランに出かけて行ってしまった。自分の車が走っているところは滅多に見られないので、走り去っていく水色のビートルを見ているのは何とも不思議な気分でした。

old parts and boxes 留守番かたがた外されたタイロッドエンドを見ていたら、ひとつにはブーツの破れもあったし、基本的に4つとも手で軽々と動かせる状態で「すでに使用限界がきてる」だったらしい。どちらかというとついでに交換したつもりだったステアリングダンパーに至っては、トロンボーン状態でほとんどダンパーの役目を果たしていなかった。ケチりたい気持ちは山々だったけど、全部交換しておいて大正解でした。

work done new tie rod ends タイロッドエンド+ステアリングダンパー交換後の感想としては、ステアリングの感じがこれまでよりもカッチリとした。ちょっとした段差を超える時にハンドルに伝わってきた振動もなくなった。やっぱりいろんなところでガタが発生していたのだろう。僕のビートルはハンドルを左右に切り返すと「ゴツ、ゴツ」と音がするんだけど、今回の作業を終えても残念ながら解消しなかった。これまでは誰が犯人か特定できなかったけど、ボールジョイント、タイロッドエンド、ステアリングダンパーを交換した今、犯人はステアリング・ボックスに絞られた。ただ中田さん曰く「まだマシな方だ」とのことなので、ステアリング・ボックスについては、もう少し放っておいてもいいかな。

しかし、久しぶりにプロのお仕事を見させてもらった。何よりも、余計な工具は触りもしない。どの工具が必要なのか、分かっているからだ。必要なさそうな工具で満載のでっかい工具箱をトランクに忍ばせているのは、素人の証なのかもしれない。


最後に、フロント周りのトラブルの発見方法を書いておこう。これは読み物・マニュアルの紹介にある、Muir氏の本にも書かれていて、購入前にチェックすべき点として挙げられている項目でもある。

フロントをジャッキアップする。この後車を揺らすことになるので馬は必ずかます。タイヤの12時と6時の位置(つまり上と下)を掴み交互に押したり引いたりしてみる。これでガタを感じた場合、ボールジョイントのガタ、ハブベアリングの寿命、あるいは締め込みが足りない可能性がある。次に、タイヤの9時と3時方向を掴み、同じく交互に押したり引いたりしてみる。これでガタを感じる場合、タイロッドエンドやステアリング・ボックスに問題がある可能性が高い。ハブベアリングに問題がある場合でもガタは出る。どちらにしても、このテストでガタガタ音がする場合は、フロントに何らかの問題を抱えていることが分かるのだ。

●2006-2-9追記

交換したタイロッドエンドは、ベルギー製とブラジル製、2種類のメーカーのものでしたが、どちらも箱から出した状態ではブーツの中にはグリスは十分な量が入っていませんでした。片方に関しては、ほぼ空っぽだったように記憶しています。つまり、新品だからとポン付けすると、グリスが入っていない状態で組み上がってしまう可能性があるわけです。メーカーや生産国に関わらず、組む時にはグリスの量をチェックし、あるいははなからグリスを入れてから組むつもりでいた方が良いものと思われます。


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