ビートルのフロントトップへ戻る  整備日記アイコン 整備日記へ

ブレーキスイッチ配線・ブーツ

single circuit 2wire1switch 空冷VWのブレーキ・マスターシリンダーはシングル・サーキットとデュアル・サーキットの2種類があって、'67年を境にシステムの切り替えが行われたらしい。シングル・サーキットは前輪後輪が同じ系統なので、仮に後輪でブレーキ液の漏れが起こると前輪の油圧も効かなくなってしまう。これに対しデュアル・サーキットは前後が別系統になっているので、片方で液漏れを起こしてももう一方の油圧は維持される。つまりデュアル・サーキットの方がより安全なシステムということになる。(画像はマニュアルから拝借…)

2wire1switch 何かとコストカットの跡が見られ、旧年式のパーツも多く使われているスタンダードだけど、幸い僕のビートルのマスターシリンダーはデュアル・サーキット仕様でした。ところがマニュアルに出てくるものとは違い、ブレーキライト・スイッチは一つしか付いてない。一方、配線は2系統用意されていて、1系統はスイッチに接続、そしてもう1系統は行き場所がなく宙に浮いてる状態です。最初はスタンダードだから配線が余っているのかと思っていたけど、余った方の配線のクセの付き具合を見ると以前は使われていたフシがある。こちらの配線もちゃんとブレーキランプまで繋がっていて、スイッチに繋ぐとちゃんとランプが点いてしまうのだな。

一体どういうことなのか悩んでいたんだけど、先日アドバイスをいただいて、謎が解けた。実は僕のビートルについているマスターシリンダーは以前交換されていて、その時にライトスイッチがひとつのリプレイスメント・パーツが使われたのだ。これにより、配線が1系統余ってしまったというわけ。

old rubber 配線を弄ったついでに、買ってはみたものの放ったらかしだったブレーキスイッチのラバーを付けることにしました。作業をしていると、ブレーキスイッチ・ラバーと思われるかけらが配線の奥の方から出てきました。以前マスターシリンダーの交換をした人は新しいラバーは付けてくれなかったけど、古くなった残骸はそのまま放ったらかしにしてくれたようです。もっともお陰でオリジナルと思われるVWマークつきのゴミがコレクションに増えたわけですが…

new rubber 数年前にWest Coast Metricに行った時に仕入れたブレーキスイッチのラバー。何とも奇妙なカタチをしているし、バックアップランプのラバー同様、ホントにこれで合っているのか?と、今ひとつ納得しないまま買ってきました。本来はシングル・サーキット用のラバーで、パッケージにもはっきりと書かれている。だけどスタンダードをはじめ、このラバーを使っている場合があるんだということを後日知りました。「何年式?」「ブレーキスイッチの出ている方向は?」「端子は何本?」など、いくつか質問すると「じゃぁ、これだ」と出してくれたWCMのスタッフ。いろいろ疑って悪いことしちゃったな。

new wiring これまでの配線の長さではラバーを入れる余裕がなかったので、配線を延長する必要がありました。平型端子は幅が広いので、一度はめるとラバーの穴を通らなくなってしまいます(何かの都合でラバーを外そうと思ったら端子を一度切り取るしかなくなる)。そこでギボシ端子を使って延長しました。で、とりあえずこんな感じになりました。この部分は泥や雨水が普通に降り掛かる場所なので、ブレーキスイッチのカバーは結構大切なのかもしれない。ついでに言うと、延長した配線にも配線カバーを付けた方がいいのかな。


inserted by FC2 system