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サーモスタットの交換

ビートル購入時に付いてきたサーモスタットは、伸びっ放しになっていて役目を果たしていませんでした。しばらくはそのままで乗っていましたが、エンジンは早く暖まる方がよかんべ、ということで、交換することにしました。パーツ屋さんに行ったところ、オリジナルのじゃばら型サーモスタットは製造中止により入手は不可能で、手に入れられるのはブラジル製の新型サーモのみとのこと。見た目はまったく違うのですが、そのまま付け替えられて、機能は同じらしいので、買ってみたのですが…


新旧サーモスタット 右が伸び切ったオリジナルのサーモ、左がブラジル製の新型サーモです。新型はぴかぴかの金色できれいです。形が全然違いますが、普段は見えないパーツなので、形の違いは気にしませんでした。

ブラケット内の新型サーモ ブラケットに合わせてみたところ、なんか変です。サーモの一番高いところからブラケットまでのクリアランスが3mmほどしかありません。これではロッドを十分に押し上げてくれるとは思えません。

オリジナルサーモふたつ 後日幸運にも手に入れた、まだ使える中古のじゃばら型サーモスタットと、寿命が来た伸び切ったサーモの比較です。本来縮んでいる時は約35mmで、暖まるとブラケットの中で最大約46mmまで伸びるので、新型サーモの約3倍のストロークがあるのです。ちなみに、じゃばら型サーモは振るとシャカシャカ液体の音がしますが、中にアルコール系の液体が入っているんだそうです。一方、ダメになっているサーモは振るとサラサラと砂が入っているような音がするとのこと。伸び切った方のサーモを振ってみたら、見事にサラサラ音がしました。

新型サーモ高温時 新型サーモを熱湯に浸けると、最大約53mmまで伸びてきました。つまりせっかくサーモが伸びようとしても、ブラケットが邪魔をしているわけです。サーモが伸び切らないということは冷却がうまくできないということなので、これでは伸びっ放しのサーモを付けている方がマシです。

自作のサーモブラケット オリジナルのブラケットの囲いの部分を切り取るのも手ですが、もったいないので、ブラジル製サーモ用のステーを自作しました。これなら、新型のサーモも思う存分伸びてくれるはずです。


新型の金色サーモは、もともと75年以降のインジェクション車用に作られたものらしく、対応温度が少し高めに設定してあります。確か90度近かったと記憶しています。実際、エンジンは十分に熱くなっているはずなのに、サーモを覗き込んでみると、たいして伸びてないようなことが何度かありました。それと疑問なのが、果たして金色サーモは寿命が来たときに伸びっ放しになってくれるのか、という点です。じゃばら型のサーモは寿命が来ると伸び切った状態になって、オーバーヒートしなくて済むのです。

我ながら名案だと思っていた自作ステーでしたが、その後、新型サーモ用に、囲いがついてないブラケットが発売になりました。例えばアメリカのcip1.comですが、出すならもっと早く出して欲しかった… こんなものが出るということは、やっぱりブラジル製の新型サーモはじゃばら型用のブラケットでは使えないってことなんでしょう。


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