スターターの交換（12v用から6v用へ）

僕のビートルは12v仕様ですが、エンジンは6v用という変則仕様です。前のオーナーが以前エンジンを「ネットで買った1200ccのリビルト」と交換したのですが、こいつが6v仕様だったからです。交換時、エンジンが6v仕様だと言うことは知らなかったようで、僕も購入時は6vエンジンのことは知りませんでした。ただスターターの音が妙に大きいので、何かが変だとは思っていました。

フライホイールと合っていないのではとも思ったのですが、スターターの音を聞いてくれた人たちの反応は「大きいと言えば大きいが、スターターとフライホイールが合っていないと、あっという間にギアをナメるはずだ」というもので、原因は別のところにある、と思わざるを得ませんでした。

そのうち、スターターブッシュが減っているからではないか、との助言をもらい交換してみることにしました。その際、スターターを外した隙間からフライホイールの歯数を数えてみると、109歯で1周してしまい、何のことはない、6v用のフライホイールだったことが判明したのです。スターターの穴からは一度に8歯くらいしか見えないので、数えては下から這い出しクランクを回し、そしてまた潜りの連続。かなりいい運動になります。6v用のフライホイールが付いてるからと言って6v仕様のエンジンとは限らないので、僕の悩みはさらに続いたのですが、その件についてはまたそのうちに…

当時、12v用6vギアのスターターを国内で売っていたショップは、僕の調べた限りでは1ヶ所だけで、6vのスターターとの交換が条件でした。6vスターターを持っていない場合には、1万円上乗せです。僕は12vのスターターしか持っていなかったので、お財布と相談した結果、あきらめて6v用のスターターを買うことにしました。

6v仕様エンジンに12vスターターを取り付けていた経験上言えることは、ギアの噛み合いが甘く、ノイズは大きくなるものの、それほどフライホイールにダメージはなかった、ということです。僕がスターターを交換したのは購入してから3ヶ月ほど乗った後のことでしたが、目立った傷等はありませんでした。ただ、その逆、12vエンジンに6vのスターターを組んだ場合、6v用スターターはギアが大きいので、本当に一発でフライホイールのギアをなめるそうです。6v仕様のビートルに12v仕様のエンジンを乗せ替える人は多くても、12v仕様車にわざわざ6vのエンジンを乗せる酔狂な人間はほとんどいないので、いいアドバイスを受けられなかったのかな、と思っています。

スターターを交換すると、さすがにスターターノイズは小さくなったものの、倍の電圧で回されているため、キーを離した後もしばらく空転を続けます。エンジンが掛からないからと、鬼のようにスターターを回しているとスターターのコイルが焼き切れるらしく、長時間回転させるのもNGです。さらに6vスターターを12vのハウジングで使う時の変換用スターターブッシュは、厚さがペラペラでしっかり穴にはまってくれません。このためスターターの心棒と一緒に回ることがあるのか、嫌な金属音がします。ケースを削ってしまうとあとがやっかいなので、使い続ける場合はスターターのシャフトを細くして、通常のブッシュを使った方が良いとアドバイスを受けましたが、めんどくさいので、そのまま乗っていました。スターターのギアを飛び出ささせるソリノイドも、倍の電圧で動きが激しくなり、フライホイールにぶつかる時の衝撃が強くなります。12v用のソリノイドと交換するのがベストですが、僕の持っていた12vスターターとは相性が悪かったのか機能してくれなかったので、諦めました。

まぁ、最初から12vギア付の6vスターターを買えば悩む必要もないということですね…

左が12v用、右が6v用スターターです。6v用のギアはかなりでかいです。リビルトですが、舐めちゃいたいくらいきれいです。
心棒の太さも違うので、ブッシュは変換用に交換する必要があります。元々入っていたブッシュはかなりキツくはまっていたので即席のブッシュプラーを作って取りました。初めてブッシュを抜いた時はねじが太すぎてブッシュがバラバラになってしまいましたが、ボルトの太さを修正したら、傷が少し入るだけで抜けるようになりました。プラー用のボルトは、山から山までが11.6mmのユニクロ・ボルトです。

スターターを外すとフライホイールの歯が見えます。一度に見えるのはこれくらい。一回り確認するには、15回くらい潜ったり這い出たりの繰り返しとなります。友達が少ないとこういう時に苦労します。3ヶ月以上12v用のスターターを使っていましたが、ダメージはなさそうです。
真ん中の穴にスターターブッシュを入れて、スターターの心棒を突き刺すわけです。