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過充電だ! オルタネーター・レギュレーター交換

●症状

その1 雨の日、ワイパーの動きが突然速くなった。と、しばらくして通常の速度に戻る。それと同時に、エンジンが息付くような変化があった。

その2 夜間走行中、ジェネライトが点灯していることに気づいた。ほどなくしてライトの明度がガクっと落ち、ジェネライトも消灯。この時も同時にエンジンの調子が変わったように感じた。


●交換

1度目の時は突然狂ったように速く動き出したワイパーに気を取られていて、ジェネライトが点いていたかどうかは確認できなかった。駐車場に戻ってテスターを当てても、電圧はほぼ正常値を示していたし、回転を上げても14.7Vあたり(少し高すぎ?)から上には行かないようだったので、発電系に特に異常があるようにも思えなかった。その時点ではワイパー自体に問題が起きた可能性も捨てきれなかったし、雨も降っていたのでひとまず放置。そして数日後、2度目の発症です。この時は夜間だったのでジェネライトが点いていたのははっきりと確認できた。その後ライトの明度に変化が出たので(正確には、明度が下がったのではなく、明るすぎたのが通常に戻ったと言うべきでしょう)前回のことも踏まえると、過充電が突発的に起きていると判断して良さそうでした。

早速、パーツの注文も兼ねて、こんな症状があったのでレギュレーターを交換しようと思う旨をReadyBugさんにメールしたところ、レギュレーターで間違いないでしょうとの返答を頂いた。僕が使っているオルタネーターはブラジル製BoschのAL82N(ちなみにAL82とAL82Nは仕様の違いはないそうです)でオルタネーター本体とファンを分割しないとレギュレーターの交換ができない設計です。以前のモデルではブラシホルダーのように上からレギュレーターの交換が出来るものもあったというのに…。特に僕の場合、まだ本当にレギュレーターがダメになっているかの確証はない。キャブや、ひょっとしたらインマニまで外し、恐らくインパクトレンチで締め付けられているに違いないファンのナットを必死の思いで緩めてオルタとファンを分割し、レギュレーターを交換して組み上げた挙げ句、実はレギュレーターの故障ではありませんでした、なんて悲惨なオチも考えられなくもなかったので、現在内蔵してあるレギュレーターはそのままにして新しいレギュレーターは外付けにするという、オルタネーターを外さなくても可能な方法を選ぶことにしました。

alternator regulator レギュレーターはBOSCH製と、同じくブラジル製で値段が安い別ブランドの2種類がありました。当初、当然のようにBOSCH製を選ぶつもりでしたが、こちらは本体底部から1cmほど端子が突き出ているため、僕が考えていた取り付け方法だと厳しいことが判明。よって、本体底部から直接配線が出ていて小さく収まるBIRKSON社のレギュレーターを選びました。内蔵なら組み込んでしまえば後は見えないけど、外付けだと丸見えなわけでBOSCHの表示は捨てがたかったんですが…。

☆ここからの作業は他の人のアイディアを参考にした部分もあります。全てを僕が考え出したわけではないことを最初にお断りしておきます☆

width of terminals レギュレーターにはブラシホルダーの端子と接続するため、2本線が出ています。元々の状態では端子の大きさが違い、接続間違いが起きないように配慮されています。しかし残念ながら小さい端子を僕は持っていませんので、1度配線を切り一般的な大きさの平型端子に変更しました。配線の色も同じで2本ともプラスということだし、区別が付くように印を付けておく必要があります。

→ちなみにこの小さい平型端子はメスの全幅が5.7mmなので、187という規格がちょうど良いと思われます。

wires out from brush holder ブラシホルダーに2カ所穴を開け配線を通し、それぞれブラシホルダーの端子に接続します。理想は端子ですっきりと接続したいところですが、前出のとおり、片方は小型の端子なのでうまく行きません。僕の場合、電気に明るい人の「絶対大丈夫」との意見を受けて半田付けしました。しかしレギュレーターの配線で半田を使うと「溶けますよ」という書き込みを以前某掲示板で見たこともあります。果たして溶けるのか溶けないのか。半田を使いたくない場合は小型の端子を用意するしかありませんね。線を通した後、ホットボンドでホルダーとの隙間を埋めておきました。

オルタに元々内蔵されているレギュレーターはそのまま放置になります。ブラシホルダーと繋がっていた端子を他と接触しないように処理してお別れになります。

brush holder installed with wires outside ブラシホルダーを元に戻しました。配線が増えましたがそれほど違和感はないようです。この後レギュレーターを繋げば終了ですが、アースさえ取れれば、レギュレーターはどこにあっても構わないようです。オリジナルのジェネレーター仕様(一部オルタネーター仕様も含む)だと室内後部にレギュレーターがあるくらいですから。

regulator on bracket 穴がいっぱい開いたアングルを数回曲げて作ったブラケットにレギュレーターを固定したところです。実はこのブラケットはバージョン2で、レギュレーターもオリジナルの形をしていません。当初はこれとは形の違うバージョン1のブラケットを用意してたのですが、ボルトを通す穴がうまく合わず少し無理してひねっていたらレギュレーターの耳の部分にクラックが入ってしまったのです。写真右側に本来有るはずの固定用の耳がありません。

時間に追われ焦って作業していたせいでしょうか、何ともがっかりな事態になってしまいました。その日の作業はそこで終了です。部屋に戻ってから耳を完全に取り除き、クラック部分をエポキシ接着剤で一晩固めたところ、幸い良い感じに修正出来ました。元々の計画ではレギュレーターを2本のボルトでブラケットに固定するつもりでしたが、計算よりもレギュレーターの全長が長くて収まりが悪く悩んでいたところでした。それが片方の耳が無くなったことでレギュレーターが小型化し、かえって好都合でした。ボルト用の穴がひとつ無くなり2カ所で固定出来なくなりましたので、片方はタイラップ2本で固定してあります。結局最後はタイラップかよ…というのは気になるところではあります。その後金属同士が接触するように取り付けるのでアース線は取らなくても大丈夫かも知れませんが、念のためレギュレーターのアースをオルタネーター本体のアースと繋ぎました。改めて見ると、ブラケットにこのくらいクリアランスがあるのであれば、BOSCH製のレギュレーターでも収まっていたかも知れません。

regulator on alternator regulator on bracket from side 各配線を繋ぎ、ブラケットをオルタネーターの上部に載せ、大きなホースバンドで固定しました。オルタネーターの外周は確か34cm位だったと思います。ホースバンド使用の是非ですが、オルタネーター自体がバンドで止まってるくらいですから、問題はないでしょう。力が掛かるところでもないし。

配線は後で修正する可能性もあったので長めにしてあります。現状では散らかって見えますが、配線をジャストな長さにすればすっきりした仕上がりになるはずです。バッテリーを繋ぎ直しエンジンをかけテスターを当てると、13.9から14.0Vになったところでぴったりと表示が固定。かなり正確にレギュレートされてるじゃないか。

voltage check a week later …と、作業から1週間後の写真です。電圧の証拠写真を載せようと思って撮ってみましたが、コンマ05V上がってしまいました。なんでかなぁ〜

しかし、よくよく思い出してみれば、ワイパーが速く動いた日よりかなり以前から、エンジンが掛かっている時にジェネライトが点灯することが何度かありました。しばらくするとライトは消えるので、メーターを叩いたりしているうちに症状が治まる、ような感じであまり気に留めていませんでした。恐らくその頃から時々過充電の症状が出ていたんでしょう。ともあれ、問題に気がついて良かったです。雨が降らなければ、そして夜走っている時に症状が出なければ、かなり後まで気がつかずに過充電をし続けていたかも知れないのです。

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