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イグニッション・スイッチの不良

酒を買いに行こうとビートルに乗り込みイグニッションスイッチをひねる。セルは回っているものの、なんかいつもと違う。キーを一度戻してみると、セルの切れ方も一瞬遅れたような気がした。もう一度キーをオン側に回してみると、セルは回るもののやっぱりエンジンが掛からない。どうしたんだよ急に…。キーをオフ側に戻すと、あれま、セルが回りっ放しだ。キーを何度かがちゃがちゃ回しても止まる気配がない。いかん、セルが焼ける、バッテリーもあがっちゃうよ〜。「こういう時はギアを入れてエンストさせるんだ」慌ててると意味不明な行動を取るもんだ。ギアを入れクラッチを放すと車はどんどん走っていってしまう。あ、そうか、ギアを入れてエンストさせるのはエンジンが掛かってる時だ。今はそもそもエンジンは掛かってないんだった。

こうなったらバッテリーを外すしかない。トランクのロックを外し、急いで13mmのレンチを取りに行く。その間にもセルは回りっ放しでどんどん勢いがなくなっていく。リアシートに乗っているあれやこれやをリアのスペースに放り込んでシートを開け、ぎりぎりセルが回ってる間にバッテリーのマイナスを外すことができた。ほぼ満タンのバッテリーが空になる寸前までセルを回しっ放しだったのだ。こりゃ以前使ってた6Vのセルモーターだったら焼き切れてたかも知れない。

とりあえずWD40をキーの穴から吹き込んでみると、エンジンも掛かるようになったし、キーを戻すとセルもちゃんと止まると、あっさりと直ってしまった。イグニッション・スイッチの接点が妙なことになっていて、セルの接点は繋がり放しになり、コイルに行く接点は繋がらなかったってな感じだろうか。症状は消えたけどまた起きる心配があるので、イグニッション・スイッチをバラして接点を磨いたり接点復活材を塗ってみようじゃないか。


割と頻繁にハンドルを外してるためか、我がビートルのハンドルはちょっと引っ張れば外れてくれる。だけどナットが思いっきり締まっていたり長年付きっ放しだったハンドルの場合、外すのに苦労するかもしれない。そんな時は、ハンドルを止めている27mm?のナットを緩めても外さないように注意してください。でないと、思いっきり引っ張った時にハンドルが抜けて顔面をひっぱたいて歯の一本も折ることになります。ローバックシートだと後ろにすっ飛んでくかも知れない。ナットを最後の数回りで止めておき、ハンドルがスプラインから動いてもすっぽ抜けないようにしておくわけです。

flasher switch bolts bracket ignition cylinder まずハンドルを外し、ボルト4本を抜いてウインカー・ユニットを外すと、イグニッション・シリンダーを押さえているブラケットの固定ボルトが出てくる。こいつを外すとシリンダーがフリーになるので、引っ張る。とは言え、僕のは配線が外せないタイプなので、フリーになると言っても配線ごと下から押し上げるようにして、このくらいまでが限度だ。ここで、マニュアルを参考にしてシリンダー横の穴から棒を突っ込んでキーシリンダーを外そうとしたが、どうもうまくいかない。

ignition switch key cylinder end よく見たら、もう少し下の方に小さいネジがあって、こちらを緩めてみるとイグニッション・スイッチとキーシリンダーが分離してくれた。ところが出てきたイグニッション・スイッチはそれ以上分解できない仕様のようだった。かしめてある部分を起こせば分解できそうだけど、何となく嫌な予感がしたのでやめておいた。というわけで、こちらも隙間からWD40を吹きかけるだけしかできなかった。右はキーシリンダーの裏側。ここがイグニッション・スイッチと連結する。

key cylinder lockpin hole 今回問題が出たのはイグニッション・スイッチの方なので、キーシリンダーを分解する必要はなかったわけだけど、どうせなのでこちらも分解して中が見たかった。配線からフリーになり車外に出せて、さっきよりも力を入れられるようになったのに、どうしてもロックが外せない。押しても動いているような感覚がまったくないのだ。150という数字の左隣にある穴から棒を突っ込めば良いはずなのだが…

結局イグニッション・スイッチもキーシリンダーも思ったようにバラせず、ほとんど手を入れることができなかった。今のところイグニッション・スイッチは普通に機能してるけど、今度また似たような症状が出たら、かしめをはずしてみようか。新品に交換だと71年スタンダード用は、ラインナップの中で一番高い4000円以上もしちゃうのだな。ともあれ、買い物に行く時で助かった。仕事に行く時とかだったら終わってたぞ。こういうトラブルは勘弁だなぁ。


key cylinder lockpin 後日某所に遊びに行ったところ、タイムリーなことに年式は僕のとは違うが、ちょうど交換したばかりというイグニッション・シリンダーが転がっていた。ロックが外れなかったことを愚痴っていたら、お手本を見せてくれた。僕もやらせてもらったけど、確かに押せばロックが引っ込む感覚があって、自分のとは押した時の感じがまるで違った。汚れとかがあって動かなくなってるのかなぁ。で、こちらがケースから出た状態のキーシリンダー。黒い部分がバネになっていて、上から押すとロックが外れる構造になっているのだ。良く見ると外側から押したところに傷がついている。

key cylinder inside 数日前に果たせなかったキーシリンダーの分解とやらをやってみた。年式が違うので何ともだが、ロックピン2本を抜くとバラバラになった。

key cylinder cam 駒は10枚あって、この組み合わせのお陰で特定のキーでないと回らないようになるとな。真ん中に開いてる穴の位置が違うんだそうだが、測っても違いが分からないくらい微妙な差だったので、試しにいくつか順番を替えてみたら、見事にキーが回せなくなった。

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