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フェンダー・フラッシャーレンズあれこれ - 雨漏り対策

wet hella lens

幸いというか、今のところ車体の雨漏りは心配がない僕のビートルだけど、一カ所だけ雨漏りに悩まされてきた部分があった。それがフロントフェンダー上にあるフラッシャーレンズだった。

写真は3代目のレンズ。僕のビートルは買った時からクリアレンズ+オレンジ球仕様に交換されていて、その際取り外したオリジナル・パーツも前オーナーから譲り受けていた。Hellaの純正なら、雨漏りはしないだろうと思ったものの、そう甘くはなかった。


first lens wet first lens melt 購入時に付いていた1代目のフラッシャーレンズ。前オーナーは大手パーツショップでパーツを買うことが多かったらしいので、おそらくそちらで仕入れた物だと思う。質感は良くしっかりした作りだったものの、対応年式が違うので、金属のカバーとレンズのカットが合っていない。また、年式が古い反射板付きのフラッシャーユニット用なのか、レンズ内のレンズ?が入っていない。実用的には問題はないんだけど、間違ったパーツを付けているようでちょっと気になる点ではあった。見た目は置いといて、気が付くとうっすらとレンズ内に水滴が入っていることがあって、水滴がついたらレンズを外して内側を拭くのが習慣になっていった。雨漏りと格闘した後なので、いたるところに液体シーラントが塗ってある。つまり、これだけシーラントを塗っても雨漏りは止まらなかったということでもある。そうこうするうちに、左右のレンズそろって上部に大穴が開き、盛大に雨漏りするようになってしまった。調べてみると、付いていたオレンジ球が正規の21wではなく27wだった。もしかすると熱量が高くて溶けてしまったのかも知れない。

omega lens omega melt

こちらは2代目。OMEGA社のクリアレンズで処分セールになっていたもの。「工作しないとちゃんと付かない」との注意付きだった。なるほど形成はかなりアバウトで、金属カバーにすんなり入ってくれない。片側においては、ベースのラバーと隙間が空いてしまうほどだった。それでも、当時(今もか?)はレンズのカットが僕の年式の金属カバーと合っているのはこれしか無かったので、形が合ったレンズを手に入れられたのは嬉しかった。ベースラバーとの隙間には隙間テープを挟んだり対策をしてみたものの、こちらもレンズ内に水滴が付いていることが多かった。ただ、僕が入手した処分品の質が悪かっただけなのか、OMEGA製のレンズの作りがおしなべて荒いのかは僕は分からない。写真で上部にひび割れがあるのは、雨漏りを止めようとネジを強引に締め付けたせいだと思う。こちらのレンズも気が付いたら上部が熱で溶け始めた。バルブは21wに戻しているので、熱に耐えられる材質ではなかったということなのか?

hella lens detail できれば見た目がすっきりしたクリアレンズをキープしたかったものの、雨漏りはするわカットは合わないわ、レンズは溶けるわで嫌気がさし、大人しくオリジナルのオレンジ色に戻すことにした。それまでは特に注意して見たことはなかったけど、純正はさすがにしっかりした作りで、金属カバーへの収まりもぴったりだった(あたりまえか…)。レンズの縁はベースラバーにしっかりと食い込むようにくさび形をしていて、下からの水の浸入はきっちりと防いでくれそうだった。

hella cover crack two covers というわけで、最初の写真に戻るわけだけど、残念なことに純正に戻しても雨漏りは止まらなかった。下からは漏れていないと信じるならば、残りは固定用ネジの穴から水気が入ってくるということか?皿ネジなのでちょっと考えにくいんだけど、試しに金属カバーとネジの間にVHSのPPケースで作ったワッシャーを挟んでみた。ところがこれが大失敗で、気密性を高めようとネジを締め込んでいくうちに、金属カバーの皿ネジを受けるテーパー部分にクラックが入ってしまった。クラックが入ったことで雨漏りもさらに悪化。ちょうど遊びに行ったミーティングで破格のフラッシャーアッセンブリーを見つけて応急処置をしているけど、メッキの状態の違いは明らかだ。

gasket between cover and lens gasket tape 残るは金属カバーとレンズとの間か。ここはレンズの窪みに金属カバーがハマるだけで特に防水対策はされていない。金属カバーとのすきまから入った雨が中に流れ込むことは十分に考えられる。そこで隙間テープを小さく切ったものをレンズと金属カバーの間に挟み込んで様子を見ることにした。しばらくは駐車場に行き、レンズの状態を見るのまでドキドキしたけど、どうやらそれ以降はレンズ内に水滴がつくことはなくなったみたい。思えば、1代目のレンズの雨漏り対策でレンズの上部に液体シーラントを塗りたくっても漏れが止まらなかったので、ここを防水しても意味はないものと決め込んでいた。

それにしてもVW社はどうしてこんなに雨漏りがし易い作りにしたんだろう。以前、雨漏りと格闘してた時「ワーゲンのフラッシャーレンズは雨漏りするのが普通だ」と言われたことがあった。いろいろ試してみても雨漏りは一向に収まらないし、今回はさすがに「そんなもん」なのかと諦めかけていた。とは言え、雨が降ったり湿気が多くなるたびにフラッシャーレンズが曇ることを、ドイツの技術者が善しとするとはどうしても思えなかった。

original spacer original spacer in place 実は以前から、フラッシャーにはワッシャーのようなものが入っているのが本来の姿、とは聞いていた。それが、金属のカバーを入手するために買った中古のフラッシャーユニットには、見たことのないゴムパーツが付いていた。これがその「ワッシャーのようなもの」なのか?レンズを下から押さえていて、スペーサーであると同時に防水用のガスケットの役目もしてそうなのだ。あくまで勝手な想像だけど、VWは雨が漏って当たりまえ、ではなかったことが証明されたような気がして、なんか嬉しかった。

件のゴムは、フラッシャーをアッセンブリーで注文すれば付いてくるのかも知れないもけど、今のところ単体ではたぶん手に入らない。ついでに言うと、フラッシャー本体とレンズの間にスペーサーが入っていないと、固定用のネジを締め込んだ時に、フラッシャー本体が上に引っ張られるか、金属のカバーが下にたわむことになる。僕がHellaのカバーを壊した理由のひとつもスペーサーが入っていなかったためだと思う。

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